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光 る 海

  そそり立ち天をも分かつ防潮壁記憶の中に光る海あり        宮城県・中松伴子

 ↑ 朝日歌壇(14日づけ)より


  国策の果ての被曝や霾ぐもり     山口市・浜村国子

霾(よな)のルビがふられてる。
意味は、
    つちふる  風に巻き上げられた土砂が降る。
    つちぐもり 巻き上げられた土砂で空がくもること。

 ↑ 朝日俳壇(21日づけ)より
この日、歌壇には3.11関連作は皆無だった。


  さんぐわつじふいちにあらなくみちのくはサングワヅジフイヂニヂの儘なり   本田一弘

掲句↑は
  「3.11」という語への違和感から作られた。
  地震の起きた日は自分たちにとって、決して記号化された「サンテンイチイチ」ではなく、
  濁音を重く含む「サングワヅジフイヂニヂ」なのだという。
  その言葉にこもる悲しみを軽々しく分かち合おうとしてはいけないと思う。

上の文は、松村由利子(歌人)さんが、同日のコラム「短歌時評」に<「3.11」でなく>と題したそれの一部である。


  白寿翁被曝の郷の梅に逝く      相馬市・鹿又一武

  日永をも復興遅々としてありぬ    横浜市・松永朔風

  四十年以上は自信持てないと自分で止まる高浜原発          三鷹市・大谷トミ子

  ふたたびを異火焚くとやみちのくの大災ひをゆめ忘れまじ    山陽小野田市・蘇 怜耶

  五年目の節目といわれるその日にも防護服着た人七千人がイチエフに居る 福島市・加藤哲章

  とりどりの花の種袋手に老兄は除染の後の土に蒔くとふ        福島市・美原凍子

  菜を買えばキャベツ七五00個を捨てた農夫の自死よみがえる     福島市・澤 正宏

 ↑ 朝日俳壇・俳壇(28日づけ)より

以下は、3.11関連ではないが......

  仏の座家系図のごと引きし根よ    熊谷市・時田幻椏

畏友 時田さんの入選句で、ご本人はブログで次のように記しておられる。

庭の春の荒草「仏の座」を引き抜いたら、思いの外の根を見た。その形状に、何故か家系図を思ったのである。こんな小さな草にも、見えない地中に根を張っている。私にも、父母が居て、祖父母が居て・・、見えない家系の今に私が居る、不思議な感慨をふと感じたのである。

  葡萄の木も夫のカッパも黄に染まり硫黄の消毒液のしたたる       山梨市・雨宮さよ子

硫黄合剤の消毒液は、濃い黄色である。その色を見ると、やはり農家の人は、(今年も春が着たなぁ)との思いがわく。
単にそう思うだけでなく、こういう歌で表現できる人って、詩人というか、豊かな詩情の持ち主なのだなぁ

*
以下の画像は、昨日、里山で撮ったショウジョウバカマとヤマザクラ

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  1. 2016/04/03(日) 08:37:00|
  2. 未分類|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

コメント

御礼

我が拙句の御掲載、御礼申し上げます。
変わらぬ御厚情に、只々感謝です。
ありがとうございました。
  1. 2016/04/03(日) 09:58:12 |
  2. URL |
  3. 幻椏 #FXGmxbjY
  4. [ 編集]

いい句

仏の座家系図のごと引きし根よ  幻椏

いい句
ありがとうございます
自分では詠めないのですが、他人さまのいい句や歌を読むのは、楽しいです
  1. 2016/04/03(日) 15:04:40 |
  2. URL |
  3. こんの #-
  4. [ 編集]

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