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りんご煮


妻が入院しいる病室は、4人の相部屋である。いわば闘病の戦友が4人で日夜頑張っている。
いちばん長い在室者は、S さん。妻が次いで長い。他の二つのベッドは退院し、新しい患者が入院してる。
同室者同士、それぞれ疾患部位がちがう。軽重の差もある。それでも運命共同体的な連帯感もできて、互いになんらかの形で助けあっている。

24時間、同じ空間と似たような時間を暮らしているのだから、へたな夫婦には真似できない絆ができても不思議ではない。
家族の話、他人にはめったなことで話せないことでも、ついぽろりと語ってしまうようだ。(笑)
そこは、やはり戦友の誼だろうから、咎めだてはしない。その場限りで忘れてしまう会話だ。
家族にまさるみたいな相部屋仲間に、毎日かわりがわりに持参する漬物や果物を楽しみにしている。と妻が言うのだから、まんざらウソでも誇張でもない気がする。

だから、毎日「明日はなにを持ってくる?」と妻に問う。少しでも戦友の力になればいいと思うからだ。

「煮たりんご。まだ食べたことがないと Sさんが言うから、食べさせてあげたい」
「ふ~む、まだ一度もやったことないなぁ...... 作れるかなぁ」
「難しくない。パパならだいじょうぶよぉ」妻におだてられ、(よ~し、作ってやるかぁ)と決める。

それには、わけがある。在室最長者だった Sさんが、22日に退院することになった。妻と同じ日に寒河江市に帰る。
(そうかぁ、そうなのかぁ)まぁ、自分としては一大決心をした。
Sさんには、とてもお世話になった。良い人に恵まれた。そう思うから、まだ食べたことのない「りんご煮」を作ることにした。

早く言えば「りんごママレード」である。これがなかなか美味いのだ。
14日、早めに家に戻って、りんご煮を作りはじめる。失敗したって、また作ればいい。22日の退院までには、きっと上手くなるだろう......
要点は、弱火で煮ること。妻のアドバイスを守りながら皮を剥いたりんごを弱火でことこと煮る。書斎のストーブにかけ、時々蓋をとり、確かめながら......
「りんごが鼈甲色になったら出来上がり」妻の言葉を思い出し、(美味しくなれ! 旨くなって!)と念じながら煮る。


「Sさんがね、目を丸くして『美味しい!』って言ってくれた。目をほそめて味わってた」妻の言葉を聞いてホッとする。
「りんごは、もらったり、買ったりするが、すぐに食べ尽くし、煮て食べるようなことはしない。だから、こんなふうに煮て食べることははじめてで美味しい、と言うのね」
「そうかぁ、そう言えば、さくらんぼを煮たあれだって、作ってる(栽培してる)者だけが食べられるものだよね」
「とても美味しくできてた!」妻の褒め言葉に、へへ、男は、満足だったのである。(笑)

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  1. 2015/01/16(金) 01:00:00|
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